★11月3日更新
ちょっと企画。
今年の福岡スクーリングでは「国文学演習」が開講されます。
国文学専攻の学生さんには必須の授業です。
講師は当Weblogではお馴染みの永岡健右教授です。
国文の話ばっかりでごめんね。
そ・こ・で。
残り1ヶ月を前に、情報交換のための記事を立てました。
演習そのものが初めての学生さんもいらっしゃるんじゃないかな。
私もその一人。
どんな授業になるのか予測しつつ、今回の教科書である
『直筆で読む 坊ちやん』も読んでいこう、という趣旨です。
★10月27日更新分
恥ずかしながら『坊ちゃん』どころか、読んだことのある
漱石の作品は『吾輩は猫である』だけ。
今回は純粋に物語も楽しんで読んでいます。
猫デアル作中に出てくる「苦沙弥先生」。
上巻ではその名前も出てこず、漱石自身を描いているように
感じます。事実、モデルは漱石先生なわけで
苦沙弥先生からも、また筆者の書き筋からも漱石の人となりが
どことなく見えてくる作品です。
そんな「苦沙弥」先生、じゃなかった、漱石先生の直筆原稿を
全文スキャンしたという、随分思い切った、興味深い本が
今回の『直筆で読む 坊ちやん』です。
イメージどおりというか、雑然とした原稿です。
変体かなも含まれているのもあって、慣れるまで読むことすら
スムーズにいきません。慣れても崩しすぎた漢字がまた読めない。
何かの液体をこぼしたシミやら、書き間違いをぐじゅぐじゅインクで
そのまま塗りつぶしたり。
章が改まった時点で、字が急に整った様子を見て、
ああ、章と共に書いた日を改めたんだな、のように
筆者自身の姿が垣間見える思いが、活字より頻繁に起こるのは
楽しいですね。
うん、楽しい。
せっかくだから作品の内容だけじゃなくて、
「直筆」ならではの解釈をしたい。
・・・うん?思いつかないぞ。
まだ全部読み終わってなくて、
うらなり君の送別会にて野だにゲンコツ食らわせたところまで。
栗岡の解釈はまたあとで~
★11月3日更新分
解説含め、読み終えました。
メディアの「破戒」も読んでたのでちょっと遅れました。
解説読んでみたら上の解釈は少々的外れみたいですね。
もっと個性的な字を書く作家は多いし、
漱石の字は毛筆のなごりがありつつも印刷も念頭に入れた
丁寧で読みやすく字は上手な方だ、とのこと。
実際に出版された「坊ちゃん」には虚子をはじめ
別な複数の人間が手を加え校正し、また誤植と思われるものもあるようです。
出版された「坊ちゃん」と原稿の「坊ちやん」を比べるところには
今まで見えていた作品に優る漱石の丁寧で綿密な構成・表現があるようです。
しかしまぁ、どう読むかは人それぞれでいいじゃない、
むしろ文学・芸術なんてのは個々人の感受性が主体になるべきじゃない、
なんて言ってしまったら元も子もないですが。
より事実に近付けようとする努力は重要なことですよね、うん。
論じるには漱石の人となりとか、ホトトギスの活動だとかの知識を
今一度勉強しなければならないようですね。
文豪ナビ買うか~
コメントレス。
>水島さん
コメントありがとうございます。
> これを教科書にしてどんな演習になるんでしょう?
> 楽しみです。
いや、ほんとわかんないですね。
こと講演で「女は略奪者だ」を朗々と読み上げる永岡先生のこと、
どんな授業になるのかわかりませんね~
私も楽しみです。
水島 ― 2008-10-31 (金) 17:18
お疲れ様です!
私も呼んでます、直筆原稿。
作品そのものが純粋に面白いし、
ちょっと読みにくい字なんか、
解読する楽しみがあって帰って楽しい!
活字になっているとあっという間に読めてしまうけど、
手書きの文字の読みにくさがあると
ゆっくりと楽しめてお得な感じがします。
これを教科書にしてどんな演習になるんでしょう?
楽しみです。